長く使っている物、長期間保存していた物の状態が悪くなってしまうことを経年劣化と表現することがあります。しかし、全てのものがそうではなく、逆に時間が経つことによって、作られた当時より美しさを増す物もあります。そうした変化を指す経年美化という言葉に今、SNS上で注目が集まっています。
経年劣化ではなく経年「美化」という言葉が注目される
そういや先日、『なんでも鑑定団』だったかで「経年美化」という言葉を知った。ペルシャ絨毯は踏まれることによって色味がよくなり、数十年使用されることでどんどん美しくなる、それを経年美化と呼ぶのだそう。うーん…いい言葉だなあ、と。人間も(見た目の話じゃなく)かくありたい。
— 白央篤司 (@hakuo416) September 3, 2020
今、SNS上で話題になっているのが、上の投稿にも書かれている「経年美化」という言葉です。
一例ですがペルシャ絨毯が踏まれることによって色味を増す、より美しくなるということを表現するのにテレビ番組内で用いられていたとのことです。
経年劣化は衣類から服飾品、家財などさまざまな物に対し用いられますが経年美化というのは聞き慣れない人も多いのではないでしょうか。
しかし、こちらは一部の業種の方の中では用いられている用語のようで、
日本の無垢材は経年による「美化」があります。年月を経た分、味わいが深まり、色味も落ち着き、良い風合いが出てくるという意味です。
引用:木の博物館 木力館
以前から認識されている人も中にはいるようです。ヴィンテージ品などへの注目が高まっている昨今では経年美化と表現できる物も多くありそうです。
三浦春馬さんが番組内で使っていたとの投稿も
#せかほし をご覧頂きありがとうございました。#三浦春馬 さん、#JUJU さんと共に番組をお届けできた2年半は、本当に宝物です。9/7(月)深夜は「JAPAN!究極の"台所道具”」をお送りします。
■感謝祭SPはNHKプラスで見逃し配信中です(9/10夜11時15分まで)https://t.co/w6EdoJEPRn
— せかほし (@nhk_sekahoshi) September 3, 2020
亡くなられた俳優、三浦春馬さんが「世界はほしいモノにあふれてる」内で漆器に対し、経年美化という表現を使ったことでも話題になっていました。
この三浦春馬さんの表現に「こんなに素敵な日本があることを初めて知りました」「三浦春馬さんの言葉選びのセンス・感性は本当に素晴らしい」といったコメントがSNS上に多く寄せられています。
「いろんなものに当て嵌まるのでは」と話題に
この経年美化という表現は、さまざまなものに当て嵌まることなのでは、とSNS上で注目されているようです。
「経年美化」よい言葉だな、と思いました。愛着を持って長い間使い続けるうちに変化があり、それを楽しむ。それは、必ずしも美化じゃなくてもいいんじゃないかと思いました。朽ちていく美しさもあるな、と。それは、人の見た目にも当てはまるんじゃないかと。人の人生が刻まれたシワも美しいと思います
— yozakuraj (@yozakurasaurusu) September 3, 2020
輪島塗とかの漆器や革製品などのように「使えば使うほと味わいがでる」ことですね
— にしやんひろりん (@nishiyanhirorin) September 4, 2020
[エイジング]も造園や園芸ではそういった意味合いで使われたりするのだけど、最近は加齢に対して使われる場合が多いような。 https://t.co/KaUHZRYDcZ
— ロロ (@tricolororo) September 4, 2020
SNS上では「物だけではなく人にも同じことが言えるのではないでしょうか。シワだって人生を刻んだ美しいものと言えると思う」「漆器や身近な革製品にも同じことが言えそう」「造園や園芸でもエイジングと表現しますね」といった興味深い投稿が多く寄せられています。
ヴィンテージといえば、ワインでもよく耳にします。改めて身近な物に対し、愛着を持つことの大切さを考えさせれますね。
source:世界はほしいモノにあふれてる,木の博物館 木力館