やはり「時計らしさ」は捨てられない。
この5年ほどでスマートウォッチの存在は、ガジェット好きだけにとどまらず広く浸透してきました。
ただ「スマートウォッチは欲しいけど、いかにもガジェットという感じのものじゃなくて、時計らしいフォルムのものを身につけたい」と思っている人も少なくないはず。
腕時計には100年を優に超える歴史があって、業界にもノウハウの蓄積が大きく、それが現在の洗練されたデザインにつながっています。ライターとして多くの機械式腕時計を見てきた私が思うに、特に高級腕時計は人々が所有物として欲しくなるような強烈なオーラを放っていますが、まだ歴史が浅いスマートウォッチは、そうしたプロダクトとしての洗練さに関しては発展途上にあり、要するに見た瞬間に「欲しい!」と思わせるアピール度がイマイチ弱かった。
しかしスマートウォッチメーカーも進化していて、洗練されたスタイリングを取り入れたモデルも増えてきています。今回ピックアップするHUAWEI WATCH GT 2 Proもそういう流れから生まれてきた製品。これから詳しく書きますが、時計専業ではないメーカーが手がけたとは思えないほど垢抜けています。
高級素材と流麗なフォルムのコンビネーション

まずは外装からチェックしていきましょう。
ケースは約46.7mmと迫力あるサイズで、今どきのスポーツウォッチとしてはベストな大きさです。細身の腕の人でもギリギリいけるサイズでしょうし、むしろこのくらいの大きさがないとタッチパネルの操作はかなり厳しいでしょう。
丸型のケースからラグ(ベルトを接続する部分)へと曲線がうまく流れていくフォルムは、伝統的な時計デザインの技法に則ったものですが、バランスが良く完成度が高いです。ケースエッジもダレがなく、加工技術の高さが伺えます。腕へのフィット感も上々です。

文字盤表面には一般的な高級時計と同じく硬度の高いサファイアガラスが使われています。シャイニーな輝きを放ちつつ傷に強いという特徴を持っています。
ケース素材はチタン、裏蓋部分はセラミックと、最近の時計業界でもトレンドになっている2つの素材を組み合わせています。
一般的なステンレススチールより傷に強くて高級感があるチタンケースには、ヘアラインも入っていて重厚な感じを高めています。

肌に当たる部分にセラミックを使っているのは、金属アレルギーなど肌の弱い人にもやさしい配慮です。
HUAWEI WATCH GT 2 Proの価格はベルトが2本付いたクラシックモデルが35,800円(税別)、ベルトが1本のスポーツモデルが31,800円(税別)ですが、3万円代の時計の外装として考えると、これは相当ハイレベルだと思います。
この価格帯でチタンやセラミックといった高級素材を全面に押し出している時計自体が少ないですし、デザインも時計専業ではないメーカーが手がけたとは思えないほど垢抜けています。

2時位置と4時位置にプッシュボタンが搭載されていますが、押したときのクリック感も良く、そうしたディテールの作り込みも時計本来の味わいを強調しています。
全体にとても「時計っぽい」モデルで、デジタルガジェットっぽさは感じさせません。目の肥えた時計ファンにも十分アピールできると思います。
文字盤デザインに時計ファンもグッとくる

「時計らしさ」というポイントでいうと、文字盤のデザインはとても重要。HUAWEI WATCH GT 2 Proはディスプレイ上に好みの文字盤を表示でき、そのバリエーションも豊富です。
機械式時計を模したデザインも多く、「雲上ブランド」と呼ばれるような超高級時計や、人気のスポーティブなクロノグラフなど、さまざまな時計にインスパイアされた文字盤が用意されており、時計ファンにはぐっとくるポイントではないでしょうか。


ビジネスやカジュアルなど、シチュエーションによって時計を変える人も少なくありませんが、文字盤の顔つきを簡単に変えられるHUAWEI WATCH GT 2 Proなら1本で何役もカバーしてくれそうです。
「クラシックモデル」にはグレーブラウンのレザーベルトのほか、シリコンより耐久性の高いフルオロエラストマーという樹脂系素材のベルトも付属しているので、こちらも服装に合わせて変えられます(※「スポーツモデル」はフルオロエラストマーのみ)。いずれも質感はハイレベルで、着脱・交換もバネ棒で簡単です。

ちなみに「OneHop」という機能もあり、この機能に対応したHUAWEIスマホ(EMU10.1以上かつNFC搭載のハイエンドモデル)で撮った写真をHUAWEI WATCH GT 2 Proにかざすだけで簡単に転送でき、文字盤に表示できるのもいいなと思いました。
データ計測ではスポーツ連動機能が強化
もちろんスマートウォッチとしての機能も充実。HUAWEI WATCH GT 2 Proでは、スポーツと連動する機能の強化が図られていて、100以上のワークアウトモードに対応。

スキーやスノーボードでは、行った時間や距離、本数、心拍数、カロリーなどを記録。ゴルフではスイング数や速度などを記録してくれるなど、対応している収集データは質・量ともにかなり充実しています。

ストレスチェックや睡眠モニタリングの機能もあり、自分の健康状態をさまざまな角度からチェックできます。実際に睡眠チェックに使ってみましたが、「オレ、意外にちゃんと眠れてないんだな」ということがよく分かって、睡眠改善の必要性を強く感じました。
こうしたデータはスマホでログ収集してチェックできるので、長いタームでの健康管理ができるわけです。
バッテリーが約2週間(※1)保つから「普通の時計」として使いやすい

あと特筆できるのは、バッテリー保ちの良さと充電の簡単さですね。フル充電すれば、通常使用で約2週間(※1)は充電要らずで使えます。充電はマグネットタイプの充電器を裏蓋に貼り付けて行なうワイヤレス方式で、しかも約5分間の急速充電で約10時間分(※2)のチャージができます。
スマートウォッチでネックになるのはやはり充電の面倒くささ。時計ファンでもこのために導入を諦める人は少なくないので、これはかなり大きなアドバンテージとなります。
※1:2週間は、心拍数モニタリングON、睡眠モニタリングON、メッセージ通知ON(毎日平均:50メッセージ、電話6回、アラーム3回)、1日に200回画面表示、毎週30分の音楽再生とBluetooth通話、GPSがONで毎週90分のワークアウトをした場合。
※2:10時間の使用は以下のテスト条件によります。心拍数モニタリングON、睡眠モニタリングON、メッセージ通知ON(毎日平均:50メッセージ、電話6回、アラーム3回)、1日に200回の画面表示、毎週30分の音楽再生とBluetooth通話、GPSがONで毎週90分のワークアウトをした場合。
時計ファンとしてはこの方向性を追求してほしい

さまざまな角度からチェックしてみましたが、機能面ではHUAWEIらしく細部まで作り込まれていて、現行のスマートウォッチとして申し分ないレベルの充実度です。スタイリングも価格帯を超えたクオリティで、コストパフォーマンスは非常に高いと感じます。
今後のスマートウォッチは機能的にどんどん進化していくでしょうが、デザインはあまり奇をてらわずに、時計としての美しさや高級感を追求していってほしいというのが、イチ時計ファンとして思うところ。HUAWEI WATCH GT 2 Proはそのバランスをうまく具現化したモデルといえるでしょう。
●2021年1月下旬より順次アップデートで血中酸素レベル測定(※)に対応。血中酸素レベルが測れるようになります。
※HUAWEI WATCH GT 2 Proは日常的な運動管理のための製品であり、医療機器ではありません。本製品のデータは医療行為または精度を要する業務・専門的な計測には使用いただけません。
Photo: 小原啓樹
Source: HUAWEI