イラン、韓国船タンカーの船員を解放
【ドバイ=岐部秀光、ソウル=鈴木壮太郎】イランは2日、1月に拿捕(だほ)した韓国船籍のタンカーの乗員を解放し出国を認めると発表した。外務省スポークスマンは「韓国政府の要請を受け人道的な配慮から解放する」と説明した。
韓国外務省も同日、イラン政府から乗員20人のうち、韓国籍の船長を除く19人の拘束を解除するとの連絡を受けたと発表した。船舶には韓国籍が船長を含め5人、ミャンマー籍が11人。ベトナム籍2人、インドネシア籍2人。韓国外務省は残留する船長と船舶の早期解放を引き続きイラン政府に求める。
イラン革命防衛隊は1月4日、ホルムズ海峡近くを航行中の韓国船籍のタンカーを拿捕した。米国の制裁に従うため韓国が凍結している70億㌦(約7200億円)のイラン資金をめぐる対立が背景とみられている。
韓国外務省は「両国が凍結された資金問題の解決を通じ、伝統的な友好関係を回復することで共感した」とし「凍結資金について韓国政府が独自に解決することができる部分は迅速に推進し、米国側との協議が必要な問題については、対米協議を透明性を持って進める旨をイラン側に説明した」としている。